研究課題
基盤研究(C)
脳活動信号からユーザの意図を抽出するBCI(ブレイン・コンピュータ インターフェース)の高性能化のために,聴覚における錯覚(錯聴)を利用した聴覚VR(仮想現実感)手法を用いて,ユーザに複数の仮想音源からの音を提示し,生じた脳波からユーザの意図を検出するBCIを開発した.本手法の特徴は,仮想音源による音像定位やVRにより仮想的な聴空間をユーザに知覚させることで,複雑かつ豊かな情報提示を行うことで,多くの情報を検出できることである.
神経工学
外部からの感覚刺激を用いたBCIの問題点は,日常生活に最も重要な感覚である視覚がBCIの操作中に占有されてしまう点にある.聴覚VR(仮想現実感)手法により,視覚に匹敵する情報量をユーザに提示することによりBCIを実現する本手法により,情報検出精度が高く,かつユーザの日常生活を阻害しないBCIが実現可能となることが期待できる.またこれにより,従来のBCIの様式の多様化が可能になり,より多くのユーザにBCIを適用できるようになる.