近年、RNAワクチンに代表されるように、人工メッセンジャーRNA(mRNA)を利用する遺伝子導入法が注目されている。RNAは、ゲノムDNAに予期しない変異を生じさせる危険性が少ないため安全性が高いが、不安定性などの課題も抱えている。本研究では、そのような課題を解決し、より実用的な人工mRNAを開発することを目指した。mRNAの安定性とタンパク質発現レベルを改善するため、5’キャップ構造に着目し、キャップ部位に多様な修飾を導入する方法を確立し、タンパク質発現レベルを向上させる修飾キャップを見出すことができた。また、標的細胞のみでタンパク質を発現させることが可能なmRNAの開発にも取り組んだ。
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