研究課題/領域番号 |
20K12691
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮本 聡史 広島大学, 病院診療支援部, 副部門長 (00835366)
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研究分担者 |
古居 彬 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30868237)
岡原 重幸 純真学園大学, 医療工学科, 准教授 (50771185)
高橋 信也 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70423382)
辻 敏夫 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90179995)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人工心肺 / マイクロバブル / 推定モデル |
研究実績の概要 |
心臓手術を受ける患者の術後脳神経合併症の回避を目的として,人工心肺中のマイクロバブルモニタリングの必要性が提言されている.現在,人工心肺に使用されるバブルセンサは,一定サイズの気泡が通過した時にアラームを発報することで大きなトラブルを回避する安全装置であるが,通過したマイクロバブルを測定するため,アラームを発報したときにはすでにマイクロバブルは患者の体内へ送られている可能性があり,マイクロバブルの送出を回避することは原理的に難しい.そこで本研究では,マイクロバブルの発生や送出のメカニズムに着目し,送出量を事前に予測することによりマイクロバブルの発生/送出を未然に防ぐ新たなモニタリング法を提案する.モニタリング法を提案するために,次の内容について検討していく.1) 人工心肺中の各マイクロバブル発生要因からマイクロバブル送出モデルを構築する 2)導出したモデルによる連続マイクロバブル送出モニタリングシステムの開発 3)マイクロバブル送出モニタリングのin vitro評価と臨床応用 まず初めに,1)について以下の内容を検討した.マイクロバブルの発生やリザーバから送出される要因として,吸引ポンプ流量,リザーバレベル,血液粘度,送血流量に着目し,各条件の組み合わせで送出マイクロバブルの特性を求めモデル化を行うために,各要因の条件を組み合わせて静脈血リザーバーから送出されるマイクロバブルの数を測定した.測定した結果から各係数を代入することで人工心肺の使用条件から,マイクロバブルの送出量を推定するモデルを構築することができた.構築した推定モデルを分析した結果,高い精度でマイクロバブルを推定するモデルであったため論文報告を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MBの推定モデルを構築する前段階として,人工心肺から取得できる記録からMBの推定が可能であるか検討した結果,問題なくモデルを構築することができた.今後は,更なる精度の向上とモニタリングシステムの移行に向けて研究を継続する.
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今後の研究の推進方策 |
現在,報告したモデルにおいても精度の高い推定が可能となっているが,ある領域においてばらつきが大きくなっているところが認められる.ばらつきの要因について今後精査し,モデルに新たな係数を追加することで更なる制度が上がるか検討する.また,その後臨床での測定データと推定モデルで予測した数値の評価を行い臨床応用に繋げていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
追加実験に対して機器の使用がなくても,解析が可能であったが次年度以降に追加実験を行う際,機器(マイクロバブル測定装置)の購入またはレンタル,材料の追加調達が必要となる.また,データ保管のPCや付属機器の購入を次年度に計画しているため.
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