研究課題/領域番号 |
20K12716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
谷川 雅人 大分大学, 医学部, 教授 (90332890)
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研究分担者 |
安徳 恭彰 大分大学, 医学部, 准教授 (20529797)
岩城 貴史 大分大学, 医学部, 助教 (60416419)
中田 健 大分大学, 医学部, 助教 (60555142)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベイズ統計 / 少数検査データ / ベイジアンネットワーク / IgA腎症 / 腎生検 |
研究成果の概要 |
少数検査データとしてIgA腎症における生研での組織学的重症度分類で、採取された糸球体数が少ない場合を検討した。IgA腎症は、日本人の慢性糸球体腎炎の約40%を占める重要な疾患で、組織学的重症度分類は、患者の予後や治療方針の決定において重要な役割を果たしている。しかし、腎生検で十分な数の糸球体を採取することは難しく、特に少数の糸球体しか得られない場合には、正確な重症度分類が困難である。本研究では、この問題を解決するために、ベイズの定理を用いた確率的アプローチを採用することによって高い確率で重症度を判断できることを示した。
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自由記述の分野 |
生命、健康、医療情報学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本腎臓学会では、IgA腎症の臨床診断や治療ガイドラインを策定し、重症度判定の際には糸球体数が10個以上を推奨している。本研究で10個以上の症例では、事後確率は85%程度と高く、基準の妥当性を確認した。糸球体数が9個以下の症例では、70%前後と低くなったが、特徴的な分布(例:0/9、9/9など)の場合には95%程度の高い事後確率が得られ、糸球体数だけを採用基準としない方が良いことも示すことができた。このように、少数の糸球体しか得られない場合でも、重症度分類が可能な症例が存在することが明らかとなり、この成果は、IgA腎症の適切な治療選択や予後判定に役立ち、安全な腎生検にも貢献できると考えている。
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