心臓手術や大血管手術では、心臓のポンプ機能を代替して血液循環を確保し、人工的にガス交換をおこなうのが人工心肺である。人工心肺を使用した心臓手術後の急性腎不全(AKI)は重大な合併症である。人工心肺後のAKIは30%程度で生じる合併症とされ、不適正灌流に起因する可能性が示唆されている。体外循環中も正常な組織活動が維持されるという条件下での適正灌流量が採用され、統一した操作が行われているのが現状である。患者個人の生体条件に合わせた酸素等の需給バランスを考慮した体外循環を行うことを目的として、より生理的な循環の代替療法を可能にするものと考える。
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