研究課題
若手研究
エマニュエル・レヴィナスの哲学をフランス哲学史という文脈において捉え直す可能性を探るため、本研究はレヴィナスの思想とジャン・ワールの思想を比較し、その類似点と相違点を検討した。両者の哲学に共通する「多元性」「瞬間」「超越性」などの概念を中心とした比較作業を通じて、レヴィナスがヴァールの問題をどのように継承しているのかを明らかにするとともに、レヴィナス哲学の独自性を示すことができた。
フランス哲学
本研究の意義は、第一に、ヴァールの思想を主題とする研究が不足するなかで、彼の哲学の構造と根本問題をある程度の解像度で明らかにしたという点、第二に、これまで何らかの影響関係が想定されていたヴァール哲学とレヴィナス哲学のあいだの思想的繋がりを明らかにしたという点にある。