2020~2022年度報告に記載した事情から当初計画を変更し、①加工痕分析に基づく石造物の加工技術の解明、③意匠の型式学的検討に基づく石造物編年の構築と技術系統の抽出に注力することにした。 2023年度は渡航が可能となったことから、①・③にかかる現地調査を実施した。時間・予算の制約から、報告書等によるデータ入手が困難であったイングランド北部の古代遺跡(Housesteads Roman Fort、Birdoswald Roman Fortなど計5か所)出土または伝出土の祭壇に調査対象を絞った。具体的な調査項目は、報告書に記載されていない形態の詳細、加工工程や使用工具の種類である。得られたデータを遺跡ごとに整理しつつある。
|