研究課題/領域番号 |
20K13004
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
于 一楽 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80710251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 項の具現化 / レキシコン研究 / 語彙意味論 / 動詞研究 |
研究実績の概要 |
本年度は2年目にあたる年で、前年度に引き続き資料の収集を行う、資料の精緻化を行う、仮説を立てて検証を行うことを目的としていた。1年目からコロナ禍にあったため、出張などによる資料の収集が思うようにはできなかったが、オンラインによる打ち合わせや研究会、学会発表なども利用して研究課題の遂行にあたった。まず、研究会では研究課題で取り組んでいる中国語の主語にかかわる非典型的な項の具現化について発表を行なった。その際、多くの専門家と意見交換を行うことで、研究内容の精緻化を図ることができた。具体的には、主語にかかわる非典型的な項の具現化においては、完結を表す事象であるかどうかということがキーポイントになってくること、名詞の意味とその事象がどのように関係してくるのかを明らかにする必要があることがわかった。研究会での発表内容をもとにして、研究成果として、日本言語学会第163回大会にて、ワークショップを企画し、実施した。ワークショップには他大学に所属する3名の研究者に加わっていただいた。それぞれの発表者が中国語、日本語、英語、ハンガリー語を別個に扱ったことにより、研究課題に関して幅広い視点から議論を交わすことができた。 また、中国語のほか日本語に関する研究も同時に進め、こちらは動詞「愛する」「恋する」「恋愛する」の項を具現する際に、対象にあたる項がそれぞれ違う格をともなって現れることに着目をした。研究成果として、単著論文を1本執筆し刊行された。そのほか、英語と日本語の文法と教育にかかわる共同研究を行ない、研究成果として共著論文を1本執筆し刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により出張をともなう資料収集が本年度もできなかった。昨年度から同じ状況にあり、新しい資料によるデータの補完、新しい資料データを用いた分析を行うことに支障が出た。この2点の理由から当初予定していた内容からはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の状況によって現地調査をともなう出張が可能になれば、これまで遅れていた資料調査を進めていきたい。オンラインでの学会や研究会を利用して、専門家との意見交換を行いつつ、研究成果を学会などで公開していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染状況拡大によって出張をまったく行うことができなかった。そのため、当初旅費に割り当てた予算については使用することがなかった。出張にともなう物品費の使用もできなかったため、物品費についても必然的に使用しない額が生じた。次年度の物品費に計上をした。ただ、学会などが対面での開催に戻ることができれば、旅費などにも計上していく予定である。
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