研究課題/領域番号 |
20K13111
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小橋 さおり 順天堂大学, 国際教養学部, 助教 (40831772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スペイン語 / スペイン語教育 / 冠詞 / 英語 / 対照研究 / 外国語習得 / 外国語教育 / 言語学 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的はスペイン語の冠詞の学習(L3)に英語の知識(L2)が及ぼす影響を明らかにし、日本人学習者へのスペイン語冠詞の効果的な教授法を提案することである。これを達成するために、3つの段階を設定している。 本年度は、研究の第1段階と位置づけ、「スペイン語・英語・日本語の冠詞および冠詞に相当する表現の対照研究」を行い理論的枠組みを構築した。今回は、より詳細に検証するため、スペイン語と日本語、スペイン語と英語、日本語と英語の場合の対照研究をそれぞれ行い、その後、3言語間で対照させて調査した。具体的には、以下の活動を行った。 第1に、文献検索・文献講読を行い、統語的観点から英語知識のある日本語が母語のスペイン語学習者がエラーを起こす可能性が高いと思われるケースを調べた。この理由は、第1段階の研究の結果を基に、第2、第3段階の研究を進めていくためである。(第2段階では、第1段階で見つかったケースが実際にエラーを起こしているのかを調査し、第3段階では、これらの調査結果を基に教授法を提案する。) 第2に、スペイン語と英語の冠詞の用法の違いを明示することに重点を置きながら、スペイン語・英語・日本語における対照研究を行った。 第3に、上記の対照研究で得られた結果を学会・研究会で発表し、有識者と意見交換を行う機会を得た。「定冠詞の用法に関する西英対照研究」については東京スペイン語学研究会8月定例会にて、「スペイン語の冠詞とこれに相当する英語・日本語表現」については2020年度日本イスパ二ヤ学会第66回大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、スペイン語教育学会(スペイン開催)等、海外の国際学会に参加し成果を発表する予定であったが、コロナウィルス感染の世界的拡大により学会およびそれに伴う論文募集も中止となってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度の予定は、令和2年度に行った「スペイン語・英語・日本語における冠詞に関する対照研究」の研究結果に基づいて、日本語を母語とするスペイン語学習者を対象に、実際のスペイン語冠詞の選択の際の英語の知識の影響を調査することである。 令和2年度の進捗状況は「やや遅れている」と報告したが、これは海外の学会での発表、それに伴う論文投稿ができなかったことによる。本課題は3年間を予定しているため、プロジェクト全体に与える影響はそれほど大きくはないと判断しており、国際学会での発表や論文投稿は今後世界情勢を見つつリスケジュールを行っていく。 令和3年度の研究計画ついては、産休・育休を取得することとなり、今後の研究計画に遅れが生じることが予想される。復帰の時期が確定した時点で研究の進め方について再度検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの世界的な感染拡大により、参加を予定していた海外での学会が中止となって渡航ができなかったため。
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