研究課題/領域番号 |
20K13145
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小西 隆之 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (90780982)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | L2英語 / 日本人英語学習者 / 評定 / 韻律 / 分節音 |
研究実績の概要 |
昨今の英語非母語話者の増加により、英語学習において習得目標とされる発音は「母語話者らしい(nativelike)」ものから「聞きやすい(intelligible)」ものへと変化している。これを受けて、「母語話者による非母語話者英語の評価」だけでなく、現実において最も頻度の高い非母語話者間のコミュニケーションの研究が行われるようになったものの、未だにその数は少ない。そこで本研究は「日本人英語学習者による非母語話者英語の評価」に影響を与える音声特性を明らかにし、英語の発音やリスニングの指導における重点指導項目を明らかにすることを目的とする。 研究初年度には80名の様々な言語の母語話者の英語を録音し、音声分析の下準備として分節音の境界情報の付与(子音、母音区間の同定等)を主に行う予定だった。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、密閉性の極めて高い防音室における録音が困難になっただけでなく、被験者として想定していた留学生数が大きく減少し、研究代表者の在籍する大学の授業の大部分がオンライン化(春学期は完全オンライン化)したことにより、大学の防音室におけるデータ取得が非現実的になった。研究継続のためにオンラインで録音を行う選択肢もあったが、本研究は英語のストレスアクセントに関わる音圧(intensity)も分析対象とするため、背景ノイズの影響が大きいことを想定し、事態の沈静化を待つ決断をした。従って本年度は最低限の実験機材を購入し、関連研究である研究代表者の別課題のデータを用いて予備的な分析を行うに留めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
主な原因として、新型コロナウイルスの感染拡大により防音室の使用に制限が生じたこと、被験者として想定した留学生数のが大幅に減少したこと、研究代表者の在籍する大学の授業の大部分がオンライン化したことにより、学内における被験者募集が困難になったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2020年度に行えなかった非母語話者の英語音声の収録と音声データに対する分節音境界情報の付与に加え、録音データを用いた日本人英語学習者による非母語話者英語の評定の分析を行う。2021年度の新型コロナウイルスの拡散状況次第で、防音室における録音を断念し、研究計画を再構成する必要もあると考えている。秋以降の事態の沈静化が見込めそうであれば、計画の1年延長を申請し、当初の計画を後ろ倒しして研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により音声収録実験と学会発表が行えなかったため、主に被験者謝礼と学会出張費分の余剰が生じた。
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