研究課題/領域番号 |
20K13292
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
茶谷 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (20824808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インド / スラム / 中等教育 / 社会参加 / 仲介者 |
研究実績の概要 |
2021年度は、昨年度と同様に新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、予定していたフィールドワークを実施することができなかった。しかし、インド・デリーにおいてこれまで収集した資料及びデータの整理・分析を進めることで、学会発表と論文発表を中心に進めることができた。具体的には、まずデリーの中等教育に関する資料を分析することで、デリーの中等教育が初等教育と比較して選抜性が高く、中等教育に進級した最初の学年で中退する可能性が高まることを明らかにした。こうした中等教育の現状に対し、スラムの10代の若者がどのように向き合っているのかについて、「中等教育の壁―スラムの若者はどこに向かうのか」(『教育からみる南アジア社会―交錯する機会と苦悩』)として公表した。また中等教育を受けることによって若者の生活世界がいかに変化しているのかを詳細に明らかにすることができた。中等教育を受ける少女の生活世界の変容に関しては、特に時間の過ごし方がどのように変化しているのかを明らかにし、国際学会で公表した。さらにスラムに暮らす中等教育を修了した青年が、親からの期待を受けながらも自らの人生を構想する様相を明らかにし、「期待と失望のはざまで生きるアジアの若者」(『現代アジアをつかむ―社会・経済・政治・文化 35のイシュー』)として公表した。そして2021年度末には、これらの研究成果を総括する形で、広くアジア研究をおこなう研究会において口頭発表を行うことで、本研究のアジア研究の中での位置づけや意義を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インド・デリーでのフィールドワークを実施することができなかったのもの、これまで収集した資料やデータの分析を進めることによって中等教育の経験を有する若者の生きる場について考察を深めることができた。そしてその成果を国際学会や論文として公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の新型コロナウィルス感染症拡大の動向をみて、可能な限りフィールドワークを実施し、参与観察にもとづくデータ収集を行う予定である。また2021年度に明らかにすることができた、スラムの若者の生活世界に関する変容について、広く子ども社会研究の議論における貢献を目指して学会発表等を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、2021年度に計画していたインド・デリーでのフィールドワークを実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額及び翌年度分の助成金は、海外渡航が可能となった段階でフィールドワークにかかる旅費として使用する計画である。
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