• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

中等教育脱落者の少年少女と社会参加-インド・スラムにおける仲介者の働きに着目して

研究課題

研究課題/領域番号 20K13292
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

茶谷 智之  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (20824808)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードインド / スラム / 中等教育 / 社会参加 / 仲介者
研究実績の概要

2022年度は、新型コロナウイルス感染症拡大のために実施できていなかったスラムでのフィールドワークを2度おこなった。その際、本研究が注目する中等教育から脱落した若者のみならず、広く中等教育段階の若者を対象に、参与観察及びインタビューを行うことができた。それにより、まずスラムの若者が中等教育から脱落する前後における生活世界の様相の変化を把握することができた。その上で、異なる経済的・社会的属性の友人からの影響を受けながら、外出時の行動選択や職業選択を行っている様相を捉え、国内学会や研究会にて公表した。さらに2022年度末には、こうした若者や子どもの意思に沿った権利擁護の可能性と限界について、南アジアに限定された議論にとどまらず、広く子どもの権利をめぐる議論への貢献のために、子どもの養育を学際的に検討する学会の学術誌に論文として公表した。
また研究期間全体を通して、調査地に関する資料調査により、中等教育進級者の約半数が修了試験ではなく前期中等教育の1年目で中退する傾向があることを把握した。それに対し、フィールドワークを通して、調査地のスラムでは1年目で中退せずに進級する若者や、中等教育を修了して仕事を始めている若者も多数いるといった現実の複雑さを捉えることができた。特に本研究が注目していたスラムに暮らし中等教育に進級したものの中退した若者にとって、学校経験を通して出会った経済階層やカーストの異なる友人が、外出時の行動選択や職業選択に多大な影響を与える存在であることが明らかとなった。このように中等教育段階のスラムの若者は、スラム住民のみならず、学校を通して広がる友人とのネットワークを通して、自らの置かれた現状を認識し、将来を展望していることを捉えることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 子どもの声への着目からモノの意味の再編へーインドの子どもの権利擁護活動とソーシャルワーカーの役割2023

    • 著者名/発表者名
      茶谷智之
    • 雑誌名

      子育て研究

      巻: 13 ページ: 14-25

    • 査読あり
  • [学会発表] 少女の行動制約と家族-インドの都市スラムに暮らす10代の外出を題材として2022

    • 著者名/発表者名
      茶谷智之
    • 学会等名
      日本子ども社会学会第28回大会
  • [学会発表] 現代インドにおける貧困層の若者と中等教育の意義ーデリーの都市スラムの事例から2022

    • 著者名/発表者名
      茶谷智之
    • 学会等名
      基盤研究B「「不確実性の時代」の南アジアの社会変動―若者の社会対応を通じて」2022年度第1回研究会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi