本研究は、個人情報保護法上の独立監督機関の独立性と民主的正統性の関係に焦点を合わせ、独立監督機関が有するべき組織について、①欧州委員会による十分性認定の条件としてEU法はいかなる内容を求めているか、②それは日本国憲法が許容している内容と矛盾しないか、を検討する。十分性認定が経済的・政治的に大きな影響を持つことは多言を要しないが、そのために日本国憲法に違反する事態が許されるわけではない。本研究は、広範な国際比較調査を行って①を具体的に明らかにするとともに、理論的な省察によって②を明示することで、わが国における今後の個人情報保護法制に係る議論に寄与することを目的とするものである。
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