研究課題/領域番号 |
20K13328
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
小池 未来 関西学院大学, 法学部, 講師 (60802270)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | CISG / ウィーン売買条約 |
研究実績の概要 |
本年度は、(1)個別の法的問題ごとに、現代的な国際取引に対する規律として、CISGで対応することは可能かつ適切であるのか(CISGの対応可能性)を明らかにし、(2)(1)が肯定される法的問題については、CISGの規定がどのように解釈されるべきであるか(CISGのあるべき解釈)について検討をおこなった。本年度は、具体的な個別の法的問題の対象としては、契約物品への要求の高度化から生ずる問題(例:ソフトウェアのインストールや特定の倫理基準の遵守等、物品が契約に適合していると判断されるための条件の問題)や、決済手段や証券の電子化から生じる問題等、当事者の義務に関連する問題を取り上げた。これらの問題に関連して、昨今の売買に関してブロックチェーン等の技術が使用されるようになっており、当事者がいかなる義務を負うかの前提として、当該売買にCISGが適用されるかや、暗号資産による支払いが支払いに該当するか、そのような支払いをおこなう取引は売買に該当するかという、CISGの適用範囲に関わる問題があることを認識し、それらの研究に取り組んだ。さらに、仲裁合意の成立の問題にCISGが適用されるかについても研究をおこなった。本研究課題においては当事者の意思の解釈が重要な意義を持つが、その関連での昨年度の研究の続きとして、「法人格否認と国際裁判管轄」について研究をおこない、関西国際私法研究会12月例会(於オンライン)において同タイトルで研究報告をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題に対し一定の研究成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も対外的な研究活動が制限される可能性はあるが、オンラインを活用するなどして当初の研究計画通り研究を推進したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、出張が中止となったり洋書の納入が遅延したりしたため、次年度使用額が生じた。次年度の関連学会の出張 や資料費にあてることとする。
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