本研究では、著作権法における写真の「創作性」判断について、日本・アメリカ・ドイツを中心に、国内外の裁判例や学説等を網羅的に分析した。写真の「創作性」判断では、どの国も同じような文言で考慮要素を多々挙げているが、要素単体で判断することは少なく、他の考慮要素もあわせて総合的に判断する手法が特に裁判例で採られていることもわかった。 また、カメラという機械に加えられた人間の関与を評価する形で考慮要素が列挙されるが、どのような行為が撮影者の関与として評価され、ひいては創作性が認められるのか、という点を改めて検討することで、AI生成物等の機械を用いた作品制作における創作性判断の方向性を確認することができた。
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