研究課題/領域番号 |
20K13414
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
川口 雄一 創価大学, 文学部, 非常勤講師 (10756307)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 南原繁 / 内務省 / 牧民官 / 自治 / 労働組合法案 / 新カント派 / 戦後改革 |
研究成果の概要 |
本研究は、戦前に官僚を経験し、戦時期に政治哲学を確立し、戦後改革に従事した南原繁を追究すること、彼の思想を軸として、同様の経験をもつ他の思想家を比較することを目的としている。より具体的には、軸となる南原を対象として、①戦時期の思想・哲学がどのようなものであったか、②戦前の官僚経験のなかでも、富山県射水郡長時代のそれがどのようなものであったかを明らかにしていく。 その成果として、①学者として南原が刊行した文献を、戦前版・戦時版・戦後版を相互に比較し、戦時期の政治哲学に固有の意義を明らかにした。また、この点に関して他の思想家との比較を進めた。②射水郡長時代の南原の言動を詳しく明らかにした。
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自由記述の分野 |
日本政治思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義・社会的意義は、第一に、従来の研究が提示した南原繁の政治思想のイメージとは異なったものを新たに提示したことである。南原の政治哲学は必ずしも確固としたものでなく戦前・戦中・戦後の間で揺れ動いたのであり、「洞窟の哲人」という内向きのものではなく他の思想家との対決を通じて生み出された面をもっていた。第二に、意味郡長時代の南原について後年の彼が語り残していなかった政治理念を明らかにし、後年の政治哲学、戦後改革にいたる思想形成の過程として新たな側面を提示した。なお、当時の国内政治情勢や郡情勢と共に追究したため、政治史・郷土史の面でも一定の寄与をなし得る。
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