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2020 年度 実施状況報告書

リコールにおける市民社会組織の役割ーペルーと日本の事例の比較分析ー

研究課題

研究課題/領域番号 20K13419
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

菊池 啓一  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究員 (80735374)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード政治学 / リコール / ペルー:日本
研究実績の概要

各基礎自治体に所在する市民社会組織は、リコールの過程にどのような影響を与えるのであろうか。ペルーの事例を用いた既存の実証研究の多くは、選挙日程操作手段としてのリコールに注目する傾向があり、他方、日本の事例に注目した研究群はいくつかの例外を除いて記述的なものがほとんどである。そのため、リコールの過程における署名活動を実施する市民社会組織の役割はブラックボックスのままである。そこで、比較的解職成立件数の多いペルーと日本におけるリコールの事例を比較分析し、各基礎自治体に所在する市民社会組織の特徴がリコールの過程に与える影響を明らかにする。
初年度である2020年度は、主に市民社会研究や直接民主主義研究に関する近年の研究動向を、リコールとの関係を念頭に置きつつ整理した。その結果、(1)(当然のことながら)有権者の「動員力」がリコールの成否を左右すること、(2)リコール導入の動きについては市民社会組織に言及する研究があるものの、日本以外の国でのリコール過程における有権者の動員力については政党もしくは政治家個人の動員力に注目する研究がほとんどであること、(3)さらに、2017年のコロンビアにおいては、主にパトロネージの強い地域で解職請求が生じており、マシーンによる動員が行われていた可能性が高いこと(Welp and Whitehead 2020)、が明らかになった。今後は、地方政治での有権者動員における市民社会組織の役割を考慮しつつ、理論枠組みの洗練化やデータ収集を進めていくことが課題となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度の研究実施計画のうち、理論的考察に関しては、市民社会研究や直接民主主義研究に関する近年の研究動向を、リコールとの関係を念頭に置きつつ整理することができた。しかしその一方で、予定していた出張を実施することができなかったこともあり、当初予定していた一般的な仮説の導出を年度内に完了することはできなかった。2021年度はなるべく早い時期に遅れを取り戻す予定である。

今後の研究の推進方策

2021年度以降は、昨年度行った理論的考察をベースに、現地調査を重視して研究を進めていく。次年度は、ペルー・チリの両国を訪問し、現地の研究者とのミーティングにおけるディスカッションを通じて理論枠組みの洗練化を図るとともに、ペルーにおけるリコールデータの収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)当初の計画では9月の予定であったペルーとチリへの出張を実施することができず、その際使用予定であったノートパソコンの購入も見送ったため。

(使用計画)次年度は7月にペルーのみを訪問する予定であったが、予定を変更し、2月から3月にかけてペルーとチリ両国で現地調査を実施するための費用の一部とノートパソコン調達費用として使用する。同調査では、現地の研究者とのミーティングでディスカッションを行うとともに、ペルーにおけるリコールのデータの収集を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 日本貿易振興機構アジア経済研究所ホームページ

    • URL

      https://www.ide.go.jp/Japanese/Researchers/kikuchi_hirokazu.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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