本研究では、西アフリカの繊維産業に着目しながら、植民地化以前の時代から植民地時代を経て独立期までの地域経済の発展径路の解明に取り組んできた。植民地化以前の状況については、日本語の単著『奴隷貿易をこえて―西アフリカ・インド綿布・世界経済』のなかで論じた。その一方で、植民地化以前の時代にみられた繊維生産の季節性や性別分業体制、織布の技術などが、その後の時代にも連続していた事例があった点については、Oxford Research Encyclopedia of African Historyに掲載された論文などで述べている。
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