研究課題/領域番号 |
20K13588
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
王 亦軒 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (80806729)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | デジタル・プラットフォーム / ダイナミック・ケイパビリティ / イノベーション・プロセス / 中国IT企業 / ケース・スタディ / エコスシステム |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績は、主に研究成果を論文にまとめた上でそれの投稿及び修正である。 2021年の上旬に国際ジャーナル(イギリス)のTechnology Analysis & Strategic Managementに投稿し、2022年の3月には掲載が確定された。このジャーナルは、Web of Scienceのcore collectionに収録されており、インパクトファクターは2.874だ。本稿の掲載によって本プロジェクトのメイン目的は達成された。論文の概要は以下の通りである。 中国大手ECプラットフォームであるTaobaoの事例研究を通じて、デジタル・プラットフォーム(DP)リーダーのイノベーション・プロセス(IPs)とダイナミック・ケイパビリティ(DCs)の関係性を明らかにした。IPsの概念の抽出及びこれとDCsとの関係性を提示ためにCorbin and Strauss (1990)のアプローチを援用した。 この論文では主に2つの貢献がある。第1に、DP特有の6つのイノベーションプロセスを提示した。DPは従来の製造業とは異なり、製品発売後に「ニーズ分析」を行い、「戦略策定」は「実施」と「ニーズ分析」の後で行われる。この違いによって、DPリーダーはより速く、柔軟な方法で製品を修正することができる。第2に、DPの各イノベーション・プロセスは、それぞれ異なるDCsを強化することが分かった。また、Alibabaはイノベーションプロセスの長期的な管理を通じてDCの成長を促進されたことが分かる。「スキャニング」と「製品化」のプロセスは、創業者の成功と失敗の経験に依存しており、彼自身が経験から学び、会社のオーディナリーケイパビリティを更新することでファーストオーダーのDCsを構築した。更に、③から⑥のプロセスまでの持続的な循環を通してセカンドオーダーのDCは構築された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
査読プロセスが思った以上に順調であった。
|
今後の研究の推進方策 |
本論文で提示された6つの仮説を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより当時予定してた国際学会の参加及びインタビュー調査が実施されたなかった。本年度では、国際学会及びインタビュー調査を継続に行い論文で得られた結果を精緻化する。
|