| 研究課題/領域番号 |
20K13615
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
山口 景子 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (40801410)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 顧客経験価値 / モバイル / ロイヤルティプログラム / キャンペーン / 自己効力感 / ゲーミフィケーション |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，購買プロセスにおけるオンライン顧客経験価値の形成メカニズムの解明を目的とする。特に，購買プロセス上で発生する消費者の心理的負担を解消し，ネガティブな購買経験を回避するための仕組みを明らかにする。
本年度は，特定の購買行動を促すことを目的としたキャンペーンのゴール設定に対し，参加者の意向を反映する仕組みを組み込むことが目的とする購買行動の促進にどの程度の効果があるかについて検証を行った。ゴール達成に対する参加者の自己効力感を高めると予想される仕組みが組み込まれたキャンペーン用ユーザ・インターフェースを開発し，仕組みから想定される効果を発揮することをオンライン実験にて検証した後，企業の協力の下実証実験を実施してデータを収集した。これら一連の実験結果から，ゴール設定に参加者の関与を促す仕組みにより，目的とする購買行動がより促進されることに加えて，この仕組みを導入したキャンペーンの参加経験がその後の購買経験に対して前向きな期待を形成することが明らかになった。
一方で，ゴール達成に対する参加者の自己効力感を高める仕組みの導入が，キャンペーンの参加自体への戸惑いを生むなど異なる心理的負担を新たに発生させる可能性や，参加者に最大限の関与を認めることが目的とする購買行動の促進には必ずしも結びつかない可能性が示唆された。本年度の研究過程で得られたこれらの可能性について，次年度以降更なる検証を行う予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は，あるひとつの具体的な買い物シナリオにおいて，(1) そのプロセス上で発生する消費者の心理的負担を解消し，ネガティブな購買経験を回避するための仕組みを特定・具体化，(2) 当該仕組みの効果について実験調査による検証を行った。また(2)の過程において，今回検証した仕組みがもたらすネガティブな副次的作用が新たに示唆された。この副次的作用が発生する消費者の心理的要因について，新たにか文献調査を開始した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果は，国際学会（INFORMS Marketing Science Conference 2021）にて報告予定であり，その後国際学術雑誌への投稿準備に取り掛かる。
次年度は上記に加えて，本年度実施した研究途上で着想した追加仮説を検証するため，引き続き文献調査を実施した上で，当該仮説を検証するための実験環境の構築に取り組む予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により消費者の購買行動が大きく変化する中で，検証可能な仮説の再構築および実証実験を行うフィールドの再選定が必要となったため，当初使用する予定だった研究費を次年度に繰り越すこととなった。当該研究費の繰越分を，本年度新たに着想した仮説の検証を行うための実験環境の構築および実験の実施のために使用する予定である。
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