研究課題/領域番号 |
20K13721
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古賀 千絵 千葉大学, 予防医学センター, 特任研究員 (80867234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者虐待予防 / まちづくり / 暴力 / うつ / ロジックモデル |
研究実績の概要 |
本年においては、フェーズ②のエビデンスの生成に加え、新たな調査計画を作成した。フェーズ② では筆頭論文2本、共著論文1本の成果となった。 筆頭論文では、Types of elder abuse and dementia onset among older adults in Japan: a 6-year Longitudinal Study from the Japan Gerontological Evaluation Studyと題し、高齢者虐待と認知症の関連を縦断研究を用いて検証を行った。認知症を伴う高齢者が虐待を受けやすいという報告はされているが、虐待を受けることが認知症発症リスクと関連するかについては、研究が殆どない。 投稿中の論文として、The Association between Elder Abuse and Refraining from Daily Activities during COVID-19 Pandemic among Older Japanese: A Cross-sectional Study from the Japan Gerontological Evaluation Studyと題し、コロナ禍においてどのような行動制限が虐待と関連をするのか検証を行った。学会発表では、第80回日本公衆衛生学会にてコロナ流行下の高齢者の行動減少と虐待の関連:JAGES2020横断研究と題した発表を行った。第32回日本疫学会では、新型コロナ流行期の緊急事態宣言下における高齢者の虐待、社会的孤立と孤独感の関連:JAGES2020年横断研究を発表した。 共著では、第80回日本公衆衛生学会にて、高齢者のうつと子どもや若い人との交流頻度の関連: JAGES2019横断研究と題した発表と、高齢者のうつと水域への近接性の関連:JAGES2016横断研究の発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年に引き続き、フェーズ②のエビデンス生成、さらにフェーズ③のロジックモデル(旧チェックリストの作成)も着手することができた。高齢者虐待を予防するための社会要因として、論文を2本発表することができた。また学会発表も2回行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画として、最終アウトプットであるロジックモデルの作成を進める。 さらに、フェーズ②を充実させるために、虐待と社会・環境要因のさらなる検証、論文化を進める予定である。 またJAGES以外の外部データなどとマージさせることにより、虐待と関連する社会・環境要因をより追及できることが考えられることから、研究計画の作成を進める。 社会環境要因=都市の在り方と捉えられることから、都市と虐待を含む暴力を検証することで、高齢者虐待予防のためのエビデンスの生成を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題において、当初は想定されなかった研究責任者の所属異動が発生した。それに伴い、研究継続のために機器を物品として購入する必要が発生した。
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