研究課題/領域番号 |
20K13767
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
青木 慎太朗 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (80867838)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 外出 / 同行援護 / 福祉制度 / コロナ禍 |
研究実績の概要 |
視覚障害者の外出環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により大きく変化し、これに伴い、当研究も甚大な影響を受けることとなった。視覚障害者の3分の2が高齢者であり、糖尿病等の基礎疾患を有する者も多いことから、外出自体に制約を受けている実態があり、当初想定されていた外出に関する研究は困難を極めた。 そんな中、外出を公的に保障するための福祉制度である同行援護について、所謂ソーシャルディスタンスを確保した形での支援は不可能であることから、コロナ禍における支援のあり方、支援者の注意点等に関する整理を行い、ガイドラインの取りまとめ作業を行った。 また、コロナ禍に併せて厚生労働省が実施した視覚障害者の外出支援に関連する支援措置(視覚障害者に代わって支援者が買い物等に行くことを可能とする)、地域支援事業として実施が始まった重度障害者等就労支援特別事業によって、これまで福祉制度の対象ではなかった、雇用されている視覚障害者の通勤や自営業を営む視覚障害者の営業活動時に、外出支援の制度が利用可能となったことを受け、その実態把握と制度利用促進に向けた取り組みに関与している。制度開始直後であることに加え、地域支援事業であることから、厚生労働省でもその実態が十分に把握できていないため、利用者からは地域間格差の問題があげられている。各地域での利用促進に向けた取り組みと、その実態把握が必要であるため、今後の課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自体が制限されている状況下において、視覚障害者の外出を主題とした本研究は著しい制約を受けている。高齢者や基礎疾患を有する者の多い視覚障害者は、団体行事等が軒並み中止されており、外出に関する状況把握やヒアリングができる状況ではない。 研究の打ち合わせ等については、オンライン会議システムを使いながら進めているが、国や都道府県からの外出自粛によって自分自身の移動自体が制限されていることから、研究活動が著しく制約を受け、思うようにはかどっていない。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを取り戻しながら当初予定の研究を実施したいと考えている。 ただ、現状において、新型コロナウイルスの感染に収束のめどは立たず、むしろ感染者の増加が続いている状況下で、果たして研究活動が継続できるかという不安がぬぐい去れない。 新型コロナウイルスの感染拡大状況に合わせ、研究計画の内容自体を変更せざるを得ない可能性もあり、状況を見ながら判断していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、外出に関わる調査研究が著しく制約を受けたため。 研究に関わる打ち合わせ等にテレビ会議システムを利用したため。
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