本研究により、これまで検討されていない、布上の無色のタンパク質を高感度で簡便に直接定量する方法を明らかにし、洗浄研究への適用に向けた基礎的な知見を得ることができた。今後、さらに実際の汚れに近い条件の検討を進めていくことで、実験者の技量や、複雑で時間を要する機器・手順を必要とせず、数多くの試料を扱うことが容易となり、例えば、タンパク質汚れに特化した新規洗浄剤、防汚素材の開発を目指す、幅広い分野の研究者にとって、スピーディで精度の良い定量分析を行う手段として貢献できると考える。また、視覚的に被服の汚れを捉えやすく、色相でタンパク質汚れ量を推定する教材としての活用も期待できると考える。
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