研究課題
若手研究
水産発酵食品は保存食として製造され始めた食品であり、それに加えて古くからの喫食文化があることから、消費者は安全性の高いものであると信じている。しかし、その安全性に関する検証例は意外なほど少ない。そこで本研究では、水産発酵食品における食中毒菌汚染混入の状況を明らかにし、食中毒菌の毒素産生能、環境耐性等から食中毒リスクの低減方法を検討した。その結果、水産発酵食品の一部にBacillus cereusが混入しており、それらの耐塩性が高いことが明らかとなった。
食品衛生学
本研究の結果から、日本国内の水産発酵食品におけるBacillus cereusの汚染率は低いが、一方で一部の水産発酵食品においてはB. cereusが増殖するリスクがあると考えられた。また、水産発酵食品に由来するB. cereusの塩分耐性が高いことが明らかとなり、製造時の塩分による水分活性コントロールや、低温管理の徹底によりB. cereusによるリスクを減らすことが可能になると考えらえれた。これは、安全な水産発酵食品の生産に資する成果である。