研究課題/領域番号 |
20K13845
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
北川 剛司 奈良教育大学, 教職開発講座, 准教授 (80710441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学習評価 / differentiate / 個人内評価 / inclusion |
研究実績の概要 |
2022年度は、当初予定の研究期間(3年間)の最終年度であったが、新型コロナの影響により、海外調査の予定が延期となったため、研究期間を4年間に変更した3年目にあたる。 2022年度においては、予定していた英国および米国での海外調査に関しては2020、2021年度に引き続き、現地への渡航ができない状態であったため、国内で入手可能なものを中心に学習評価固有の意義に関する文献収集および研究を進めた。研究計画に挙げていたトムリンソン(Tomlinson, C.A.)が第一人者となっている"differentiate"概念についての研究を継続し、教育評価論への接続・応用を検討した。2022年度においては、2021年度内に収集した"differentiate"概念についての膨大な文献についての理解と整理のための作業が中心となった。 ここまでに得られた知見を要約すると次のとおりである。トムリンソンのdifferentiate概念は、教育において「多様な子どもがどの子も排除されない(=包摂(inclusion))こと」を達成するための手段である。教育におけるdifferentiateは、子どもはそれぞれが異なる学習スタイルや能力を持っていることを認識し、内容・プロセス・成果物を修正することで、一人一人の子どもの多様な学習ニーズに応えようとするものである。教育にdifferentiateを取り入れることで、全ての子どもが同じカリキュラムにアクセスし、同じ学習目標を達成できるようになる。これはinclusionを実現するための具体的方法に関する知見を提供している。 なお、当初予定としていた海外調査について、その可否と時期を見計らいながら予定の調整を試みたが、2022年度中の海外調査は断念することとなり、この影響で2022年度内の研究成果の発表時期を逸したため、2022年度の研究の成果は、2023年度に日本教育方法学会、中国四国教育学会での発表および論文投稿によって行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究の調査については、国内で入手可能な文献について可能な限り行えており、おおむね予定通りである。 一方、海外調査については、「研究実績の概要」にも示した通り、予定していた英国・米国での調査が実施できていないため、計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延期したことにともない、2023年度が研究期間の最終年度となったため、1・2年目に2度予定していたが延期となっていた海外渡航を、1度に変更して2023年度に実施したい。 同時に、この間の計画変更(研究期間や研究方法の変更)によって、2023年度も海外渡航をとりやめとせざるをえないことも見越して、海外渡航の代替手段としてこの間収集した膨大な文献の研究・整理を進め、研究成果を学会発表や研究紀要、報告書等で発信できるように準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費と旅費では、2020年度、2021年度に予定していた海外渡航において、必要となる文献の購入と渡航費用への支出を予定していたが、2022年度も海外渡航の実質的な規制が続いたため、海外渡航がさらに延期となり、2022年度必要としていた文献収集のための費用と旅費のほぼすべてを繰り越して、海外渡航再開の様子を見ることとした。 2023年度に海外渡航の可能性をさぐりつつ、時期や費用面で計画変更が必要だと判断された場合には、その代替措置として、オンライン国際学会大会への参加による情報収集に切り替えるなど、研究計画と成果発表の方法の見直しを行う。必要に応じて、研究主題に関連して収集した膨大な文献のレビューを中心とする研究報告の形に切り替えることも検討したい。
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