研究課題
若手研究
子ども福祉施設男性指導者の教育思想を、幼児教育を含む学校制度と研究組織、母性規範、新教育思想との関連に留意して明らかにした。岡山孤児院の看護を専門的に学んだ女性職員と年長女児が担い、裁縫教育と幼児教育を私立高等女学校卒業生が担っていた。これらの領域に母性規範があった。英語で初めて書かれた近代日本の子ども観研究の意義は、貧困層と幼児のエージェンシーや親の性役割の視点から日本幼児教育史をとらえる点にある。アナーキズムは母性規範と公教育を脱構築する可能性を持つ。
教育史・幼児教育・教育政治学
子ども福祉施設における近代教育思想において学校・家族・国家の存在が一貫していると同時に、それらの関係は変化していた。岡山孤児院の女性職員は看護や裁縫教育、幼児教育に従事していた。日本の子ども・家族・女性に関する英語圏の研究を蒐集し読解した。その結果、女性が従属的に置かれる教育と福祉の領域をアナーキズムとフェミニズムの視点からつくりかえていく可能性が明らかになり、今日の公教育変革への手がかりを得た。