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2022 年度 実施状況報告書

日本における「哲学する教育」の実践に関するフィールド調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K14006
研究機関鹿児島大学

研究代表者

福井 駿  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (40758687)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード哲学する教育 / カリキュラム / 学校づくり / P4C / 子どものための哲学
研究実績の概要

本研究は、日本各地で実際に「哲学する教育」を実践している学校のフィールド調査を通して、「哲学する教育」が多様な文脈を持つ学校カリキュラムにそれぞれどのように組み込まれているのかを明らかにすることを目的としている。2022年度に実施した主なことは次の2つである。
①コロナ禍が続いたため今年度も計画通りには実施できなかったが、「哲学する教育」を試みている学校の現地訪問を継続することができた。特に今年度はそのような学校における研修会の場にいくつか参加できたことが大きな成果であった。「哲学する教育」を推進している教師や管理職だけでなくさまざまな思いを持った学校の構成員と交流し、個人レベル・集団レベルともに、その葛藤の複雑さをより深く理解することができたと考える。
②これまでの研究の成果を対外的に発表し、再吟味することができた。International Council of Philosophical Inquiry with Childrenのプレカンファレンス・セミナーにて、これまで進めてきた調査結果の一部を他国の教育研究者や実践者と共有するとともに議論を深めることができた。メキシコ、オーストラリア、韓国などの「哲学する教育」に関する現実的状況を多く知り、多様な考え方について集中的に議論できた(「哲学する教育」の目的が大きく違うのはもちろん、それを可能にするための社会資本についての考えへの違いについて議論できたことは大きな成果であった)ことで日本の事例を見るための参照軸を獲得することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の流行が継続し、これまで延期していた分の学校への現地訪問を今年度で実施するには至らなかったため。

今後の研究の推進方策

今後、以下の2つのことを進めていく。①教師へのインタビューだけでなく、「哲学する教育」についての教員座談会や学校での研修会への参加などを含めて、幅広いデータの収集を継続する。②これまで集めてきたいくつかの事例のデータを相互に比較検討する。
来年度もすぐには授業観察や面談・集会に制限が無くならないことを考慮しつつも、対面での実施が研究成果を高めると考えられる活動は積極的に実施していく。例えば、現地訪問のように録音録画記録だけでは捉えづらい曖昧なものを理解しようとする作業や、共同的な(授業)実践分析のように繊細なコミュニケーションが求められる作業である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ渦が継続したため、当初予定していた現地調査が実施できず、その旅費分が次年度使用額となった。使用計画として、現地調査の実施のために旅費として使用する。また、オンラインでのデータ収集のための必要な物品等にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 対話的な学びとコミュニティ形成 : 討議倫理とP4Cの視点からの事例検討2022

    • 著者名/発表者名
      福井駿、藤井佳世、田中伸、田端健人
    • 雑誌名

      岐阜大学教育学部研究報告

      巻: 71 ページ: 75-85

    • オープンアクセス
  • [学会発表] シティズンシップ教育の再設計2022

    • 著者名/発表者名
      田中伸、福井駿、岸周吾、中山智貴、岡田了祐、福田洋平
    • 学会等名
      The 20th International Council of Philosophical Inquiry with Children
  • [学会発表] ラウンドテーブル:学校教育における「対話」と「討議」の今日的意義と可能性―民主的な公共圏に向けて―2022

    • 著者名/発表者名
      田端健人、藤井佳代、福井駿、田中伸
    • 学会等名
      日本教育学会 第81回大会

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公開日: 2023-12-25  

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