研究課題/領域番号 |
20K14026
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井上 咲希 金沢大学, GS教育系, 特任助教 (90740275)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学習態度 / アカデミックアドバイジング / 経過選択制度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は近年増加傾向にある経過選択制度のある入試区分で入学した学生の学習態度や大学の活動へのエンゲージメントを調査し、入試区分による学生の特性に違いがあるかを調査することである。経過選択制度とは学生の専攻選択を入学時より後に設定し、学生が自身の興味や進路に合わせて専攻分野を選ぶことのできる制度である。調査を実施する大学ではコース選択だけでなく、一部の学生は学部等の専攻選択を2年次に上がる直前に行っている。学生の選択を支援するためにアカデミックアドバイジングの制度もあり、教職員の積極的な関わりが学生たちの大学生活にどの様な影響を与えるのかも併せて調査する。 データ収集には2種類の質問紙を使用する。1つ目は下山・林(1983)が開発した「学習意欲尺度」を使用する。元の質問紙は日本人の児童向けに開発されているため、筆者が以前の研究で使用した大学生向けに言葉を直したものを使用する。また、学生エンゲージメントに関する調査では主にアメリカで広く用いられているNational Survey of Student Engagement(NSSE)の指標を用いてどんな活動に参加しているかを学生に自己評価してもらう。 経過選択制を導入しているグループに所属する学生と、その他の入試区分で入学した学生をデータ収集の対象とする。アンケート結果は記述統計をもちいて分析する。 さらに、経過選択制度を支援する役割を担う教職員へのインタビューを通して学生への効果的な支援制度についても調査を行う。それらの結果をもとに学生への支援モデルを考察し、検証を重ね、持続可能な支援を確立させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度では主に文献研究と経過選択支援の実践を行った。研究代表者は経過選択制度にかかるアカデミックアドバイザーの役割を担っており、本研究はアクションリサーチの側面もある。そのため、自身の行った支援活動の記録を取り、2020年度の実践については2020年11月にオンラインで開催された初年次教育実践交流会in北陸にて発表した。 研究計画では2020年度にアンケート調査を実施する予定であったが、感染症拡大の影響で学生が大学に来ることができず、大学活動へのエンゲージメントの評価を正しく行うことができないと判断し、データ収集の時期を遅らせた。アンケート調査は2021年度に開始して現在データ収集中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず経過選択制度を支援する教職員3名へのインタビュー実施する予定である。そしてアンケート調査結果を含めて分析を始める。アンケート結果については記述統計を用いて分析を行う。インタビューについては書き起こしの後、KJ法とテキストマイニングの手法を用いて質的・量的両面で分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンライン開催となったため、参加のための旅費に充てていた分を使用しなかった。今年度文献購入に使用したい。
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