まず、本研究の目的は以下二点を明らかにすることである。 ① 入試区分の違いにより、学生の学修態度やエンゲージメントに違いはあるのか。 ② 日本の大学の学生支援活動は上記の項目に良い影響を与えることができるのか。 ②の学生支援には主にアカデミック・アドバイジングの影響を考察する。二年目となる今年度はまず調査に使用する調査紙の作成と修正を行った。本研究で使用する調査紙は2種類あり、一つは下山・林(1983)が開発した「学習意欲尺度」、もう一つは学生エンゲージメント尺度である。学生エンゲージメント尺度にはアメリカで広く使用されているNational Survey of Student Engagement(NSSE)の指標を用いて作成を行った。「学習意欲尺度」は児童用に作成されたものであるため、研究者が以前行った別の研究で使用した大学生用に文言や言い回しを修正したものを用いた。また、学生エンゲージメント尺度については英語を日本語に翻訳し、翻訳したものを第三者に英語に翻訳してもらうことで内容を確かめたうえで作成した。その後、学内の研究倫理審査申請を行い承認をいただいた。 上記で説明した2種類の調査紙を研究者が所属する大学のランダムに選ばれた1,2年生約800名にオンライン上で配布した。対面授業が再開し、3カ月ほど経過したのちに配布したが、昨年度のオンライン授業の影響は考慮する必要がある。そして約200名からの回答を得た。研究者が海外の大学へ留学することになったため、本研究はここで中断する。
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