研究課題/領域番号 |
20K14128
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | UCLA PEERS / 友人関係 / 学校 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 |
研究実績の概要 |
本研究では、PEERSプログラム学校版を学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と共に検証する。2021年度は、研究協力体制にある自治体において研究参加に同意を得られた37名の児童生徒に、適応行動や認知特性等の評価及び質問紙を実施した。その後、介入群16名にPEERSプログラム学校版の16セッションを実施した。セッションは学校のスケジュールに合わせて1つのセッションの内容を2回に分けて週1回ペースで児童生徒のみのグループで実施し、保護者には配布資料を毎回お渡した。セッションの内容を保護者と共有し、必要に応じて質疑応答等のやりとりを行なった。当初は全て対面での実施を予定していたが、COVID-19の感染拡大により一部オンラインでのセッションも含めての実施となった。ドロップアウトした3名を除く13名について介入前後の評価を比較したところ、介入後に社会性、コミュニケーション、友達作りに関するソーシャルスキル知識が向上し、ASD用の行動様式が緩和された。また観察より、実際の場面で友達との関わりの様子に改善が見られている。自己理解インタビューの回答は文字起こしし現在分析中である。これらの中間結果は国内外の学術集会で発表準備中である。またPEERSプログラム学校版のマニュアル日本語版が出版された。今後、2022年度に実施される介入遅延群の結果とフォローアップの評価も含め統計的に検定を行い、PEERSプログラム学校版の日本における有効性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
友達づくりを学びたいと希望する児童生徒を対象に、介入1年目のプログラム実施及びデータ収集は予定通り行われた。プログラム実施後13ケースの質問紙や聞き取りのデータが収集された。COVID-19の影響が大きく出た学校現場において、実施スケジュールが一部変更され、また一部学校において教職員の参加は見学のみにとどまったが、その他の参加校においては、学校教職員との協働が進められた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、介入2年目(介入遅延群対象)として、COVID-19の感染対策のため必要に応じて柔軟な運用も取り入れながら、プログラム実施及びデータ収集を行う。また、介入1年目のプログラム参加者のフォローアップ評価を実施する。適応行動尺度や質問紙の介入前後のスコアや自己理解インタビューの回答を比較し、日本の小中学校におけるPEERSプログラム学校版の有効性を検証する。また事後調査により、持続効果を確認する。さらにこれらの成果について論文化及び学会発表を行う。
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