研究課題/領域番号 |
20K14132
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
稲垣 勉 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30584586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 潜在的シャイネス / 潜在連合テスト |
研究実績の概要 |
本研究は,自己報告によらない手法である潜在連合テスト(Implicit Association Test:以下IAT)で測定される「潜在的シャイネス」を低減させる手法を同定するほか,その低減効果がどの程度持続するのかを検討することを目指している。 昨年度に引き続きコロナ禍の影響が残り,対面を前提として計画していた介入操作を伴う実験を行うことはできなかった。しかし,こうした状況下でも実施可能な形式での調査・実験の方法を探り,新たなデータをいくつか収集することができた。具体的には,顕在的・潜在的シャイネスが他者との協同作業場面においてどのような影響を及ぼすか,大学生120名を対象にデータを収集し検討を行った。分析の結果,協同作業を行うペアを構成する2名の潜在的シャイネスがともに低い場合,他の組み合わせのペア(一方の潜在的シャイネスは高いがもう一方は低いペア,2名とも潜在的シャイネスが高いペア)よりも,協同作業のパフォーマンスが上昇しやすいという結果が得られた。こうした結果をまとめて学会発表を行い,成果を公表した。 また,IATの遂行経験がIAT得点に影響を与えるか否かを検討し,過去のIATの遂行経験や経験した時期は,IAT得点に影響を及ぼさないということを確認した。この成果は昨年度に学会発表のみ行っていたが,論文の形にまとめることができた。 上記のように一定のデータ収集や成果の公開ができたものの,当初に計画していた実験は実施できていない。そこで,実施方法を再検討した上で,次年度以降もデータ収集を継続し,研究計画を遂行することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は潜在的シャイネスの変容可能性の検討と,その効果の検証のために,実験的な手続きを行うことを前提にしている。しかし,コロナ禍の影響が本年度も残ったため,研究を計画した当初に予定していた実験を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は3年計画であるが,コロナ禍の影響を考慮して,研究期間を延長することも検討する。 また,近年はオンラインにおける調査・実験のツールも発展しているため,今後はこうしたツールの使用も考慮に入れて,当初は対面での実施を予定していた調査・実験について,手続きを変更してオンラインで実施するなどの方法についても検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査・実験に際して参加者に支払う謝金や,学会発表および打ち合わせ等の旅費として使用する予定であったが,コロナ禍のため執行することができなかった。次年度は,計画を適宜見直しながら執行していく計画である。
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