研究課題
若手研究
他者からの拒否や拒絶といった社会的排斥は個人の心身の健康状態や対人関係に悪影響を及ぼすとされる。本研究では、自分を思いやることを意味するセルフ・コンパッションが社会的排斥による悪影響を緩和する心理的資源となり得るのかについて検討した。調査法や実験法を用いた本研究の結果、セルフ・コンパッションの高い人ほど社会的排斥経験が少なく、また、社会的排斥場面でセルフ・コンパッションを活用することで排斥してきた他者への攻撃性が抑制されることが示された。
社会心理学
他者との人間関係は時に社会的排斥を引き起こす。本研究では、自分自身に思いやりを向けることを意味するセルフ・コンパッションが高い人や、社会的排斥場面でセルフ・コンパッションを高めた人ほど、社会的排斥による心身及び対人関係への悪影響が少ないことが示された。セルフ・コンパッションが社会的排斥の未然予防につながることとともに、社会的排斥が生じた際に活用できる個人の心理的資源としてセルフ・コンパッションがあることが明らかとなった。