研究課題
若手研究
我々が感じている時間の長さは、たとえ物理的に等しい時間間隔であっても、内的・外的要因によって影響され、異なっているように感じられることがある。操作感や自己移動感、刺激の変化がどのように知覚的な呈示時間長に影響するかについて、主に1秒以下の時間を心理物理学的な手法を用いて調べた。実験の結果から、操作を認知することや自己運動を知覚すること、および、刺激の変化を知覚することは、変化を感じない場合に比べて、知覚的な呈示時間長を長くさせることが示唆された。
実験心理学
操作を認知することや自己運動を知覚することと外的変化が結びついたときに時間知覚に影響するのかどうかについて着目し体系的に調べた研究はこれまでになく学術的な意義があると考える。変化を認知したり、操作感や自己運動を認知することが、主観的な時間長を長くさせるという知見は、時間の感じとり方をコントロールしたいという人間の素朴な欲求に対して解決方法の一つを示していると考えられる。