研究課題
若手研究
ヒトに対するラットの親和的な行動の分析およびオキシトシンの機能について検証を行った。ヒトに撫でれらることを好むラットの前で別のラットを撫でたり、社会的に隔離することにより、ラットがこれまでに報告例のない音響特性を持つ超音波を発声することを発見した。一方、オキシトシンの機能を阻害した遺伝子改変ラットなどを用いた薬理行動学的実験では、オキシトシンが親和的な行動にもたらす影響は限定的である可能性が示された。
動物行動学
本研究成果により、ラットの情動を推察しうる新たな音声指標の存在が明らかになった。他者との関係性の神経メカニズムを実験心理学的に調べる上で有用であるだけでなく、コミュニケーション障害や情動の発達を調査するための重要なモデルを提供できることが期待できる。まだ結論を出すに至ってはいないが、本研究によりオキシトシンが他者との親和的な関係性の構築に果たす役割の理解につながる可能性がある。