研究成果の概要 |
数学的な成果と工学的な成果を以下に述べる. 数学的な成果として, (1) 完備離散付値環上の対称整環の(安定)AR箙の構造論に関するもの (2) 有限次元代数のτ傾有限による分類に関するもの (3) その他(連分数のq変形, 有限群の一様分解に関するもの)がある. 工学的な成果として, (4) カードベース暗号におけるシャッフルプロトコルの提案と実装およびパズルへの応用に関するもの (5) グラフのテキスト検索を応用とするグラフ線形表示の提案である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代数の表現論の大きな目標は代数の加群圏の解明にある. これは現代の言葉ではAR箙の構造を決定することや部分圏を分類することとなる. 体上の有限次元代数のAR箙の構造と異なり, 係数環の次元を上げればそれ上の代数のAR箙の構造論はまだまだ未開の分野である. 今回は完備離散付値環の非特異孤立点とは限らないような対称整環の(安定)AR箙の形状に関する制限を与えたものである. 部分圏の分類に関しては, (台)τ傾加群と呼ばれるものが(有限関手)ねじれ部分圏の分類を与え, これが有限となるケースは基本的であるため, 様々な代数のクラスに対してτ傾有限な代数を完全に分類することは重要である.
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