本研究では、まずパラメトリック下方変換(SPDC)で生成した光子対の可干渉性に対して(1)励起レーザーの繰り返し周波数、(2)光子検出器の時間分解能の影響を取り入れた理論モデルを構築した。数値シミュレーションを実施した結果、GHzオーダ―の繰り返し周波数であっても、光子検出器の時間分解能が高ければ、干渉性の高い光子対が得られることが明らかになった。次に、繰り返し周波数3.2GHzで光子対を独立に2対生成し、それらの間の二光子干渉を観測した。その結果、0.88±0.03という古典限界を大きく超える明瞭度が得られ、独立に生成した光子を用いた二光子干渉実験におけるクロックレートの世界記録を更新した。
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