研究課題/領域番号 |
20K14521
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯貝 桂介 京都大学, 理学研究科, 研究員 (80853465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 激変星 / 矮新星 / WZ Sge型矮新星 / 再増光 / X線連星 / 国際協力 |
研究実績の概要 |
当該年度では、本研究課題の対象となる突発現象が発生せず、残念ながら目的とする観測を実施することが出来なかった。コロナ禍により海外の観測所との連絡が浅くなった点も、観測出来なかった一つの原因となっている。一方で、既に取得済みのデータを新たな手法で解析するのも本研究の目的である。ある程度の進捗は得られたが、未だ目的は達成されていない。現在取得済みのデータでは独立解が得られない可能性があるため、引き続き解析プログラムの改良を目指すと同時に、独立解を得るためにどのような観測が必要なのかについて研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前項の通り、1年に1度以上の観測が期待される現象が発生しなかったため、観測的研究は停滞している。本年度以降も引き続き観測体制を維持し、本研究課題を推進する予定である。また、本研究のもう一本の柱である解析プログラムの作成においては、2021年スペクトル研究会等で結果を報告し、最低限の進捗を得られた。しかし、解析結果の解釈に多様性があり、本研究が目的とする変光メカニズムの決着には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、本研究のターゲットである変光現象を、国際変光星ネットワーク(VSNET)等を用いて早期発見するべく監視体制を維持する。ただし、この1年、本研究の観測ターゲットは事前の期待値を下回る出現率である。よって、本研究では、VSNET以外でも、本研究の観測ターゲットを見つける手段を開発するべきだと考える。即ち、ZTFやASAS-SNといった、サーベイプロジェクトが公開するデータを随時解析し、本研究のターゲット(WZ Sge型矮新星)の早期発見が出来るような自動判別プログラムの生成を行う。PIは過去にWZ Sge型矮新星とSU UMa型矮新星の機械学習を研究したことがある(Isogai et al. 2019a)。その研究を応用することで、突発天体の増光初期に本研究の観測ターゲットを見つけることが出来ると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度はコロナ禍によって様々な研究会が中止となり使用金額が大きく減じた。本年度は状況が改善すると想定して使用額を定めている。また、初年度はテレワークが多かったために見送りとなった、職場での研究環境の構築を進めるため、このような使用額となった。
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