小惑星探査機はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウは自転がかつて早かったと考えられている。この早い自転によって天体の形がそろばんの珠状になったと考えられている。このような高速自転小惑星は太陽系では珍しくない。リュウグウは人類にとってこの種の小惑星をつぶさに観察できる初めての例である。本研究の結果、高速自転小惑星の表面で生じた衝突によって弾き飛ばされたエジェクタ(放出物)は自転の効果を強く受けること、リュウグウの赤道付近でのエジェクタの集積をはじめとする様々な現象が起きることが明らかになった。また、実態の明らかでない他の高速自転小惑星についても、その表層進化について様々な知見が波及効果としてあった。
|