研究課題
若手研究
環境水中に含まれるロジウム分析方法を開発した。固相抽出に用いるキレート樹脂にCRB-05を用い、試料溶液における吸着溶媒として0.0005 M酢酸を適用することで、約98%の吸着率が得られた。低濃度の酢酸では、樹脂における官能基のプロトン化を抑えることができたことと、酢酸とロジウムが二座配位することで反応性が上がったことが考えられる。また、溶離液として2 M以上の酢酸を用いることで、約97%の回収率が得られた。したがって、実験室レベルではあるが十分な前濃縮法を確立できた。
水圏化学、分析化学
外洋における元素の分布や挙動に関する研究は多数行われており、主要元素のみならず、鉄や亜鉛などの微量金属元素の分布や挙動が報告されている。しかし、Rhについては、これまで分析方法の確立の目途すらたっていなかった。本研究では今まで確立できていなかった環境水中に含まれるRhを定量する分析方法を開発できた。今後本分析法を用いて全球的に分析することで、Rhの地球化学的挙動が明らかになるとともに、人為的影響によるRh汚染がどの程度拡散しているかの知見を得ることができる。