本研究課題によって得られた研究成果は、迅速な現地調査が困難な山間部で発生する地すべり現象や、その実態の多くが不明な海底活火山で発生する噴火現象の検出を、地震波形データの効果的な解析アプローチの開発により、リモートかつ準リアルタイムに実現させたことを示している。ときに甚大な被害をもたらしうるこれらの現象は、従来手法では捕捉が困難であったが、本研究課題のアプローチはその検出を実現し、固体地球表層で発生する変動現象の理解の深化をもたらす点で学術的意義が大きく、また、ときに災害をともなうイベント検出に伴う意思決定や周辺の災害リスクを検討する上で基礎的な情報を提供するため、その社会的意義は大きい。
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