研究課題
若手研究
本研究では低気圧・マイクロメートルオーダギャップにおける絶縁破壊現象のメカニズムを、実験とシミュレーションの両面から検証した。その結果、低気圧・マイクロギャップにおける絶縁破壊現象は真空放電と類似する現象となり、絶縁破壊電圧が陰極表面からの電界電子放出現象を起点として引き起こされることが分かった。電界電子放出現象は電極の表面電界に強く依存することから、表面状態を清浄に保つことが絶縁設計上重要である。
高電圧・大電流工学
本研究によって得られた低気圧・微小ギャップにおける放電のメカニズム、及び絶縁破壊特性の基礎データは、微細な機構をもつ電気機器の信頼性に直結するものであり、絶縁設計技術の合理化に指針を与えるものである。また、微小空間における放電現象は、その対象とする空間と電子の平均自由行程を比較すると真空放電に類似する点が多く、未だ統一した見解の得られていない真空放電のメカニズム解明にも資するものである。