本研究は多数の送受電コイルからなる無線給電における干渉除去技術の構築を目的とし、5つの検討に分けて進めた。検討1では、伝送系に損失がない理想の条件で簡易設計を行った。検討2では、損失がある前提で設計し直した。検討3では送受電側それぞれが自分のパラメータしか把握できないと現実に近い条件で解を求めた。これらの検討は成功に終わり、特に検討3では中継コイルを用いた無線充電にも設計を拡張できた。検討4と5では、期待した電力拡大効果並びに漏洩電磁界低減効果は部分的に確認できたものの決定的な結論まで至っていない状況にある。本研究は、1件の学術論文、10件の学会発表と2件の受賞で概ね成功に終わったと思われる。
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