研究課題
若手研究
本研究の目的は、既存の圧力計測技術に依らない、光学式圧力標準の計測感度の補正法を開発することである。まず、要素技術を開発した。その後、ヘリウムとアルゴンの分極率から計測感度を補正し圧力の絶対値を求めた。また、圧力標準と比較することでその値の妥当性の評価を行った。さらに、10 Pa から120 kPa の圧力範囲で、光学式圧力標準を従来の圧力標準と比較した。今後は、ファブリペロ共振器の改良および材料内部へのヘリウムの吸収の影響の補正を行い、計測精度を向上させる。
精密工学、圧力標準、真空科学、計量・計測
圧力は、面積と力から求められる。一方で、気体の状態方程式および分子密度と屈折率の関係式より、屈折率と温度からも求められる。光学的に屈折率を計測することで、既存の圧力標準や圧力計に比べて、一台で広い範囲の圧力を高精度に計測できる。本手法は、将来的には、逆に圧力から熱力学温度や物理定数を計測することも可能であり、広範な科学技術分野の発展に寄与する。