近年、中大規模建物での木材利用を実現・促進するための法整備や研究・技術開発が盛んに行われている。なかでもCLT関連の研究は多いが、CLT床構面の研究は少なく、有開口CLT床構面に関する研究は存在しなかった。建物において、耐力壁を十分に効かせるためには、床構面の面内性能の確保が重要であるが、開口を設けると面内性能は影響を受ける。しかし、CLT床構面においてはその程度が不明であった。そのため、有開口CLT床構面の面内性能を明らかにしたことと、有開口CLT床構面に十分な面内剛性・耐力を床に持たせるための条件(剛床仮定成立条件)を明らかにしたことは、耐震設計の高度化に資する成果である。
|