本研究で新たに得られた塗料型圧力センサの性質を任意に制御する技術は,風洞試験でこのセンサを使うユーザーにとって,試験の効率化やコスト削減を行う上でとても有用である.これまでは,センサとしての性質は塗料の組成で決まっていた.ゆえに実際に試験をして,その結果を受けてセンサを交換したい場合,時間と費用をかけて塗料を塗りなおす必要があった.本手法を使えばその必要はなく,塗料に照射する光(励起光)の波長帯を変えるだけでセンサの性質を変えることができる.この機能は,学術的にユニークであるに留まらず,将来的に航空機等の開発の効率化に貢献できる可能性があり,意義がある.
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