本研究では従来の振動水柱型波力発電にない、水柱の運動方向が途中で変化する「共振点追従型振動水柱波力発電」を提案する。研究成果として、途中で傾斜角度と断面積の変化する振動水柱の運動方程式を導出し、運動方程式に基づく共振周期の推定式を提案し、傾斜角度や断面積、水深により変化する共振周期を10%以内の精度で予測することができた。また、途中で傾斜部を有する共振点追従型振動水柱波力発電は従来の垂直型波力発電と比較して、同じ水深でも共振周期を30%以上長周期化すること、傾斜部分に水面が達しない場合は垂直型と同様の共振周期になるという、水柱の水位により共振周期が急激に変化する性質を持つことを明らかにした。
|