圧力容器等の定期検査では、疲労き裂等の欠陥が生じやすい溶接部を中心に非破壊検査が実施されている。しかし、非破壊検査には検出限界があり、深さ1 mm以下の表面欠陥は検出されない場合が多い。本研究において、アルミニウム合金A5083P-O材の突合せ溶接継手の止端部にニードルピーニング(NP)を施工することにより、疲労強度が11%改善されるとともに、疲労強度を44%低下させる深さ1mmのき裂状表面欠陥が疲労強度上無害化されることが明らかとなった。この結果は、非破壊検査で検出されにくい欠陥をNP施工により無害化可能であることを示しており、タンクの損傷率低下に貢献する知見となりうるものと期待される。
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