化学工業において、粒子分散系を取り扱う場面は多く、それらが長期にわたり沈降せずに高い安定性を示すことは、ユーザーに対し、性状を担保するという側面だけでなく、例えばデバイス内でのトラブルを防ぐことにも寄与すると考えられる。本研究は油系であり、かつ高濃度の粒子分散系を対象として、長期安定性を維持するために必要な条件を探すと同時に、糸曳きに着目したものである。単に糸を曳くという現象を感覚的に整理するのではなく、それを評価できる装置を自作することで、糸曳きのパターンが複数あることを見出し、さらにどのような糸が発現すれば粒子の沈降を抑制することに寄与できるかを示そうとしたことに価値があると考えている。
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