本研究計画は、パルス光を用いた光誘起力顕微鏡観測を行うことにより、高い時空間分解能での物質の光学応答を観測することを目的している。本研究では最初に、探針側面及び直下より光が導入可能な自家製の光誘起力顕微鏡の開発に成功した。しかしながら、パルス光を探針と試料に導入したところ当初の測定系では予想していなかった不安定な探針の動きを見せた。そのために本研究計画では試料の高次の分極率の観測の他に、分極率の非対角項に由来する双極子を光誘起力顕微鏡によって観測する発展的な取り組みを行った。その結果、物質のキラリティを反映する像をナノスケールで観測することに成功し、これまでにない測定が可能になった。
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