本研究は、高圧安定相の四重ペロブスカイト型酸化物を薄膜化することが可能であるという着想のもと、LnCu3Mn4O12(Ln:ランタノイド)ならびにMnの一部をFeに置換したLaCu3Mn4-xFexO12薄膜の合成と物性評価を行った。LnがCe以外の系において、既知のバルク試料よりも薄膜で磁気転移温度が低下する原因を、磁気特性・電子状態の観点から明らかにした。さらに、LaCu3Mn4-xFexO12薄膜において格子歪み起因の磁気異方性がFe置換後も維持されること、そのときの原子間の磁気相互作用を実験的に明らかにした。
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